「イラスト・ルポの時代」小林泰彦著

公開日: 更新日:

 1967年から4年間、週刊「平凡パンチ」誌上で人気を博した「イラスト・ルポ」(イラストと文を組み合わせたルポルタージュ)の傑作集。

 当時の日本は経済成長期の好景気に沸き、海外渡航が自由化された時期。一方のアメリカはベトナム戦争が泥沼化していた。

 連載の初回は、葉山海岸でつかの間の休息を楽しむアメリカ兵たちのファッションを伝える。

 以降、ヒッピー文化の中心となっていたサンフランシスコのヘイト・アシュベリーや、偶然知り合った黒人青年の案内で歩いたハーレム、ロンドンの若者たちの前衛ファッション、パリでは「ジバンシー」のアシスタントデザイナー時代の三宅一生を取材するなど。

 まだまだ憧れだった海外取材を敢行し、現地の若者風俗と時代の空気を伝える。

(山と溪谷社 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み