「京都迷宮小路」浅田次郎ほか著

公開日: 更新日:

 一代でファッションメーカーを築き上げた村井は、ある夜、京都・東山の料亭で取引先の百貨店幹部を接待。その帰り道、秘書とタクシーに乗った村井は、雨の中、祇園石段下で誰かを待っているような浴衣姿の女性を見かける。

 その途端、村井の脳裏に長らく忘れていた志乃という名前が蘇る。志乃は学生時代に京都で暮らした村井の恋人で、30年前、村井は石段下での彼女との待ち合わせをすっぽかしたことがあったのだ。たとえ話にごまかして女性秘書の木内に過去の顛末を明かすと、彼女は石段下で「女の念」が今も待ち続けているのではないかという。(浅田次郎著「待つ女」)

 人気作家7人の京都を舞台にしたミステリーを編んだアンソロジー。

(朝日新聞出版 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層