「つくもがみ笑います」畠中恵著

公開日: 更新日:

 根付けの猫が年を経て付喪(つくも)神になった猫神。その猫神が居着いている古道具屋兼損料屋の出雲屋に、「大江戸屏風(びょうぶ)」という立派な屏風が持ち込まれた。旗本の篠崎家が徳川家から拝領したものだが、篠崎家でボヤが出て、大工が出入りする間、出雲屋に預けるという。

 ところが、屏風から鼠(ねずみ)の声がする。旗本の蜂屋が篠崎家で屏風を見ていた時、腰に着けていた根付けの利休鼠が篠崎家の猫に追いかけられ、その猫ともども屏風の中に飛び込んでしまったらしい。猫神が利休鼠を助けるために他の付喪神とともに屏風に飛び込むと、そこは200年前の江戸の町だった。(「二百年前」)

 好奇心旺盛な付喪神たちが活躍する短編時代小説6編。

(KADOKAWA 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ