「なりたい」畠中恵著

公開日: 更新日:

 廻船問屋兼薬種問屋の若旦那・一太郎は、材木問屋の娘の於りんと、将来縁組をすることが決まった。先々を考え、早く仕事を覚えたいと焦るものの3日店先に立てばすぐに寝込む病弱ぶりは相変わらず。世話をしてきた兄やたちは、一太郎が治るよう神社に寄進に行こうとしたが、それでは一太郎の看病ができない。ならば、逆に神様に来ていただこうということになり、豪勢な食事を用意して神様を歓待した。気を良くした神様は、来世何になろうかと気にかかっている一太郎のなりたいものを聞き、気に入ればそれを引き寄せてやろうと言いだす。果たして一太郎は神様に気に入られる答えを見つけられるか……。

 本書は、人気の「しゃばけ」シリーズ第14弾。「なりたい」ものを思案する一太郎のもとに「妖になりたい」「人になりたい」「猫になりたい」「親になりたい」「りっぱになりたい」者たちが現れ、知恵を請う。この世のものではない妖を見られる主人公ならではの解決策も面白い。(新潮社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず