「本のある空間で世界を広げる 図書館さんぽ」 図書館さんぽ研究会著

公開日: 更新日:

 図書館利用派はもちろん、購入派の愛読家にもおすすめの図書館ガイド。最近の図書館は(購入派が)しばらく足を踏み入れていない間に、すごいことになっているようだ。

 例えば、都心のど真ん中、日比谷公園にある「日比谷図書文化館」。かつての「都立日比谷図書館」が千代田区に移管され生まれかわった施設だ。

 1階には書棚も閲覧室もなく、展覧会用の展示室とカフェ。2階、3階の図書フロアも日替わりで本を提案する「今日の一冊」コーナーや、アート本をインテリアのように並べ、おしゃれな椅子を配するなど、本を思わず手に取ってみたくなる仕掛けがいっぱい。図書館の本は、カフェや、地下のダイニングへの持ち込みが可能で、コーヒーやビール(!)を飲みながらの読書も楽しめるという。

 同館企画の講座やセミナー、ワークショップなども充実している。

 さらに図書館を起点に、週替わりで一冊の本に限って販売するユニークな「森岡書店」や、施設内のいたるところにある本が読み放題の泊まれるブックカフェ「BookTeaBed GINZA」など、周辺のおすすめブックスポットや散歩コースも案内する。

 同館のほかにも、一般図書のほかに児童書4万3000冊、洋雑誌や専門誌を含め雑誌600誌の最新号をそろえる武蔵野市の複合施設「武蔵野プレイス」や、公民が連携して再開発した複合施設の中核を担う岩手県の「紫波町図書館」など、6図書館とその周辺の情報を「週末に行きたい、1日楽しめる図書館さんぽ」として紹介。

 他にも建物がすてき、マニアック、注目の取り組みをしているなど、個性的でユニークな全国の図書館を130館網羅する。知らなかった近所の図書館や、旅先で立ち寄りたい図書館が見つかるはず。

 (駒草出版 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方