「へろへろ」鹿子裕文著

公開日: 更新日:

 1991年、社会福祉士の下村恵美子は仲間と、福岡市のお寺の一角を借りてデイサービスを始める。きっかけは、ごみ屋敷化した部屋で一人暮らしをする認知症の大場さんとの出会いだった。彼女が施設に入所を拒まれ、「ばあさま1人の面倒もみきらんで、なんが福祉か!」と憤り、自力で立ち上げたのだ。その「余計なことは一切しない」というデイサービスが人気を呼び、古民家を借りてグループホームの運営を始めることに。

 しかし、資金はゼロ。下村らは行商などで資金を捻出。さらに法律の改正で施設の閉鎖に追い込まれた下村らは、再びゼロから特別養護老人ホームの建設に乗りだす。

「宅老所よりあい」開設までの顛末を記録した痛快実録。

 (筑摩書房 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択