「模範郷」リービ英雄著

公開日: 更新日:

 台湾は6歳から10歳までを過ごした「ぼく」の故郷だった。一家が暮らした家は、台中の「模範郷」という場所にあった。 1945年までその町の住人は日本人で、模範郷に並ぶ家は「日本人建的」家なのだと、出入りする国民党の人から聞いた。離れてから一度も台湾を訪れたことはないぼくは、記憶の中の風景を求め、大陸の奥地、河南省に通い続ける。

 震災と母の死が重なり書くことができなくなったぼくは、台湾に住む日本人から、半世紀ぶりに「ふるさと」で、かつて住んでいた家を見つけに行かないかと誘われ、複雑な動揺を覚える。(表題作)

 後に万葉集を英訳し、日本語で小説を書くことになる作家自身の原風景をたどる作品集。第68回読売文学賞受賞作。

 (集英社 540円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    セイン・カミュは事務所独立問題がこじれ芸能界から消えた

  2. 2

    台風被害はそっちのけ…安倍自民“無能幹部”の呆れた実態

  3. 3

    “タブー”だった事務所移籍 安室奈美恵はなぜ成功したのか

  4. 4

    森田健作知事 元タレントなのに災害対応で存在感ゼロの愚

  5. 5

    お台場の海はなぜ汚いのか 水質を知り尽くす港区議が警鐘

  6. 6

    CMや配信で復活の兆しも…「のん」が干された決定的な理由

  7. 7

    醜聞だらけ “火薬庫大臣”田中和徳の初入閣に地元もビックリ

  8. 8

    田原俊彦が干された真相…「BIG発言」だけではなかった

  9. 9

    汚染処理水発言で物議 何でも屋は農業や社会保障も実績0

  10. 10

    楽天平石監督の退任騒動とヤクルト小川監督辞任の“点と線”

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る