「手のひらの小さな愛」川嶋康男著

公開日: 更新日:

 大雪山連峰の最高峰、旭岳の麓に広がる東川町。著者が初めてクラフト作家・太田久幸の作品に出合ったのは、この町のギャラリー「コタン・クル・カムイ」だった。展示されていたのは角材の木口に描かれたオブジェ「樹魂」。太田は「太田木地工房」を開いていたが、昭和52年に旭川市工芸指導所の嘱託となった工業デザイナー、秋岡芳夫の指導を受け、ウッドクラフトを制作するようになった。

 4年後、友人が持ち込んだミズナラの古材を見て、太田は目を疑った。ミズナラが語りかけてくる。このミズナラで「樹魂」を作りたいと思った。

「旋盤の魔術師」と呼ばれたクラフトマンを描くノンフィクション。

(新評論 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層