「マネーの魔術史」野口悠紀雄著

公開日: 更新日:

 18世紀の初め、財政危機にひんしていたフランスは「ローのシステム」を導入した。紙幣を発行する国営銀行と、フランス植民地との独占的な貿易権を持つ会社が結託し、返済義務のある「国債」を「株式」を経由して紙幣という債務に置き換えたもので、熱狂的な投機の後、財産危機は解決されずインフレだけが残った。

 日本で7年目に入った異次元緩和は、このローのシステムと同じである。年金や高齢者医療費を中心として社会保障費は膨れ上がっているが、市中にあった国債を異次元緩和で日銀が買い上げて、財政負担を見えにくくしたのだ。

 古代ギリシャから現在まで、形を変え現れ続ける「金融緩和」をひもときながら、その実像に迫る。

(新潮社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相の「反社会性パーソナリティー」を精神科医が懸念…海外メディアもG7での“虚勢”をさらし上げ

  2. 2

    ドラ1候補の沖縄尚学・末吉良丞“まだ治らない左ヒジ”に日米スカウトやきもき…夏の甲子園沖縄県予選きょう23日開幕

  3. 3

    注目の集中審議で高市首相が“錯乱答弁”連発…「中傷動画」「サナエトークン」野党質問を圧殺し被害者ヅラ

  4. 4

    ドジャース指揮官は真美子夫人に言及も…2児の父となった大谷翔平に「心配のタネ」

  5. 5

    ロッキーズ菅野智之にトレード浮上! Dバックス、パドレス入りで打倒ドジャースの急先鋒になるか

  1. 6

    森保J次戦のスウェーデンを徹底予想! 相手FW陣迎える3バックは誰が? なでしこ初代監督が挙げるキーマン

  2. 7

    長尾謙杜は熱愛報道に謝罪も「問題児」扱いで“STARTO社出世レース”からドロップアウト

  3. 8

    高市内閣支持率下落の必然…衆院選の公約「消費税ゼロ」反故にする裏で進める“ゲリマンダー政治”の闇

  4. 9

    巨人橋上監督代行が見せたシビアな顔 「坂本勇人を使ったら、浦田が使えなくなっちゃう」

  5. 10

    維新の念願「都構想」は絶望的…足元見た高市首相が吉村代表に“諦めろ”と引導渡す