「おいしい野菜が食べたい!」黒野伸一著

公開日: 更新日:

 和也は、村の農産物直売所で働いていたが、大地主の松岡の機嫌を損ね、クビに。頼まれて春菜の畑で働き始める。春菜一家は、3年前に村に移住して有機栽培に取り組んできたが、去年夫が事故死。春菜は義母の世話をしながら、残された畑で1人で野菜を作っていた。しかし、夫との約束で無農薬・有機栽培を貫く彼女の畑は草だらけで、まともな野菜が育つとは思えない。

 同じころ、派閥争いに巻き込まれ、村にある農業生産法人に左遷された理保子は、事業を黒字化して本社への復帰をもくろむ。

 その切り札として、コンピューターで温室内の環境を自動調整する高生産性トマト栽培に取り組もうとするが……。

 従来農法と、有機栽培、そして近代農業の三つ巴のバトルを描く長編。 (徳間書店 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」