「禁じられたメス」久間十義著

公開日: 更新日:

 泌尿器科医の東子は、上司との不倫が原因で夫と離婚、愛娘の親権まで剥奪されてしまう。時を同じくして東子を女手一つで育ててくれた母が急死。すべてを失った東子は、宮城県・伊達湊市の総合病院で働き始める。

 2週間後、腎移植の手術のため、部長の陸奥のもとに県下の病院から医師らが集まる。見学した東子は、陸奥らの卓越した技術に驚かされる。聞くと、陸奥は米国で修業し、帰国を惜しまれたほどの名医だった。数カ月後、東子はある出来事をきっかけに生まれ変わったつもりで陸奥から技術を学ぶことを決意。その直後、陸奥らが倫理的に問題がある病気腎の移植を手掛けていることを知る。

 現実の事件をモデルに医療倫理と患者の命とのはざまで奮闘する女医を描く長編小説。

(新潮社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較