「誰そ彼の殺人」小松亜由美著

公開日: 更新日:

 仙台市の北部、泉区寺岡の沼地で男性の遺体が発見された。上顎と下顎は粉砕、さらに切断された両手首と両足から先は行方不明だ。

 司法解剖を行った今宮准教授と解剖技官の梨木楓は、腐敗度と犯行現場の状況から、首を絞められ殺されたと推測する。やがて被害者は瀬口桂介32歳と判明。桂介にはIT企業社長の兄・亮介がおり、2人は一卵性双生児だった。亮介の自宅を訪れた楓と今宮は亮介の「過去にA型肝炎を発症した」との供述からある疑念を抱く。(表題作)

 解剖技官の楓と上司で准教授の今宮が病理検査から証拠に迫る医療ミステリー。ほかに、温泉旅館で編集者が不審死した「恙なき遺体」など全4編を収録する。

(幻冬舎 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず