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「禁断のスカルペル」久間十義著

 物語の主人公は、総合病院で研修医として働く女医・東子。夫・拓馬と一人娘の絵里香にも恵まれ幸せな日々を送っていたが、指導医と不倫関係になり、離婚を迫られ子とも引き離された。失意の東子は東北のとある病院に流れ着く。

 そこで目にしたのは、陸奥哲郎という医師の卓越した手術の技。医師会にも所属せず、単身米国で腎移植手術の世界的権威のもとで修業した経験を持つ陸奥の手腕に触発された東子は、彼の元で腕を磨くことを決意する。

 そんな東子に陸奥は、病気で摘出し捨てられる運命だった腎臓を、病変部分を取り除いて腎移植が必要な患者に修復腎移植を行っていることを明かす。それは今の日本では公には認められていない禁断の手法だった。果たして、目の前の患者を救うための禁忌の手術は許されることなのか――。

 日経新聞掲載時から大反響を呼んだ話題作。運命に翻弄される東子の選択を描きながら、医療を取り巻く問題もあぶりだしている。(日本経済新聞出版社 1800円+税)



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