「黒い豚の毛、白い豚の毛」閻連科著、谷川毅訳

公開日: 更新日:

 鎮長が運転する車が若者をひき殺してしまった。劉根宝はそれを聞いて、県の交通隊に行って「私がやりました」と名乗り出て、鎮長の代わりに牢屋に入ろうと考えた。他にも鎮長に恩を売りたい者がおり、クジで決めることに。

 2つのクジには白い豚の毛が入っているが、1つだけ黒い豚の毛が入っている。根宝が引いたのは白い豚の毛だった。家に帰ると東隣のおばさんが、離婚した自分のいとこが、根宝が鎮長の代わりに牢屋に入ると聞いて、結婚してもいいと言ったという。「ピチピチの柔肌」だと聞くと、根宝は当たりくじを引いた柱子のところへ行った。そして、鎮長の身代わりを俺に譲ってくれと頼んだ。(表題作)

 ノーベル文学賞候補作家の自選短編集。 (河出書房新社 2900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る