「なぜ、それが無罪なのか!?」伊藤和子著

公開日: 更新日:

 2017年の性犯罪に関する刑法の改正後も、性暴力事件に関わったとされる大学生が不起訴になったり、19歳の娘に性行為をした実父に無罪判決が言い渡されるなど、理不尽なニュースが相次いでいる。

 財務大臣が「セクハラ罪という罪はない」などと公言し、セクハラ禁止規定を持たない日本は世界から異端視されているという。

 本書は、弁護士の著者が、社会に衝撃を与えた性犯罪裁判の判決を検証する一方で、レイプ事件の多くが不起訴になる背景などを解説しながら、性犯罪に関して遅れた日本の司法の現状を紹介。性犯罪の被害者をバッシングして沈黙させる一方で、加害者に寛大な日本社会の現実と、近年、声を上げ始めた女性たちの変化を報告する。

(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?