「カラダをゆるめて 最高の睡眠を手に入れる」矢間あや著

公開日: 更新日:

 子どもの頃は、夜になるとまるでスイッチが切れるようにストンと眠りに落ちたものだが、年を取るとなかなか寝付けず、眠ったつもりでも疲れが取れないということが増えてくる。いったいなぜなのか。

 理学療法士である著者は、大人になると“硬くゆるまない体”になることが眠りの質を低下させる原因であると言う。これは、無意識のうちに体に余計な力が入り、いつも緊張してこわばっている状態のことだ。

 原因は、昼間の悪い姿勢や動きのクセの積み重ねにあるという。これにより、本来は機能しなければいけない筋肉がこわばったり、一部の筋肉にだけ過剰な負担がかかることで、全身が硬く緊張した状態になる。また、ストレス状態が長く続くことも、硬くゆるまない体の状態を招きやすい。自律神経のバランスが乱れて、筋肉が緊張して血管も収縮するためだ。

 さらに問題なのは、硬くゆるまない体を正しくリセットする方法を知らず、そのまま放置して悪影響をどんどん蓄積させてしまうこと。本書では、日常生活における悪い姿勢を正す方法だけでなく、すでに硬くこわばった全身の緊張をゆるめて、本来の体の状態に戻すさまざまな方法を伝授している。

 例えば「ゴロ寝リセット」では、毛布やタオルケットを筒状に丸め、その上に背中を沿わせるようにあおむけに寝る。そして、両膝は曲げて肩幅程度に開き、自然に呼吸を行いながら5~10分リラックスすれば完了だ。この体勢だと、体が重力から解放され、脱力しやすく、効果的に体がゆるむそうだ。毎日の習慣にすれば、ぐっすりと眠れるようになるはず。睡眠に悩んでいるなら、まずは“眠れる体”をつくろう。

(エクスナレッジ 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒