「13坪の本屋の奇跡」木村元彦著
大阪の谷町6丁目にある隆祥館書店はわずか13坪の小さな本屋だが、地味なノンフィクションの売り上げが3桁に上る。店主の二村善明が客の嗜好を把握し、刊行前に送られてくる本の見本を徹底的に読みこんで客に薦めているからだ。
あるとき、二村は、紀伊国屋書店の店長に信じられない話を聞いた。書店には取次という問屋を通して書籍や雑誌が配本される。仕入れ時には1カ月分の代金を請求されるのに、売れ残った本の返本時には20日までに仕入れた分しか返金されない。このタイムラグによる不足分は140万円にも上る。ところが、大手の書店には30日分が返金されるというのだ。
理不尽な出版流通との書店主の闘いを描く。
(ころから 1700円+税)