「あるいは修羅の十億年」古川日出男著

公開日: 更新日:

 ステイルームに滞在する18歳のウラン(宇卵)をメキシコ人の美術家ガブリエルが訪ねてきた。海外の現代美術家と美術館による共同プロジェクトに、ウランが応募したシナリオが採用されたのだ。

 プロジェクトのテーマは土地の「神話」で、ウランは東京の地下に眠る巨鯨について記した。ウランとガブリエルは東京を歩きながら、その神話を膨らませていく。その間、ウランは自分の左胸に小型原子炉があることをガブリエルに打ち明ける機会をうかがう。

 一方、17歳のヤソウ(泰雄)は、震災で原子力発電所が「爆ぜ」て、孤絶した「島」から上京。カウボーイを名乗る養父からの指示で、東京シティ競馬の騎手となる。

 東日本大震災から15年後の2026年の東京を舞台にした近未来小説。

 (集英社 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  4. 4

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  5. 5

    「いっぷく!」崖っぷちの元凶は国分太一のイヤ~な性格?

  1. 6

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  2. 7

    元女優・宮崎ますみさんは6年前から八ヶ岳山麓に移住しコメ作り 田植えも稲刈りも全部手作業

  3. 8

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  4. 9

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  5. 10

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由