「スバル」野地秩嘉著

公開日: 更新日:

 第2次大戦中、戦闘機を造っていた中島飛行機は、戦後、GHQの指令で飛行機を造れなくなった。

 中島飛行機から分かれた会社のいくつかが富士重工として合同し、軽自動車を造ろうという動きが生まれた。プロが操縦する飛行機と違って、自動車は素人の所有者が運転する。自動車設計は素人の行動や嗜好を考慮する必要があった。

 日産や三菱重工は欧米の自動車メーカーと提携したが、トヨタと富士重工は自社だけで乗用車開発に踏み切る。富士重工の飛行機設計プロ集団は、文献研究とフォルクスワーゲンの分解調査だけで、トヨタのクラウンと並ぶ性能の試作車をつくり上げた。

 飛行機製造の技術で自動車を造った男たちのドキュメンタリー。

(プレジデント社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」