「まむし三代記」木下昌輝著

公開日: 更新日:

 馬借一揆で両親を亡くした11歳の源太は、「越中公方の手の者」だと称する男に集められた荒くれ者の中にいた。その男は「お主らに殺ってもらいたい男は、細川京兆だ」と告げた。細川京兆とは、応仁の乱の東軍主将、細川勝元の後を継いだ細川政元である。男から前金を受け取った者の中に、法蓮房(斎藤道三の父)という僧体の男がいた。源太が「どうして、こんな危険な仕事に応じたんだ」と尋ねると、法蓮房は「上医は国を医(いや)し、中医は人を医し、下医は病を医す」と言い、「国を医す上医を国手という」と教えた。細川政元暗殺が国手になることになぜつながるのか……。

〈国滅ぼし〉と呼ばれた兵器を集めて戦国を生きた斎藤一族三代を描く。

(朝日新聞出版 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明