「戦国十二刻」木下昌輝著

公開日: 更新日:

 応仁の乱の頃、室町将軍足利義政のお抱え庭師、善阿弥は、西軍が虎視眈々と狙っていた相国寺の庭を必死で守ろうとしていた。相国寺は花の御所と東軍総大将の細川勝元の屋敷をつなぐ位置にある。その庭は義政と善阿弥が苦心して造ったものだった。義政は、相国寺を救えばもう一度、政に向き合うと約束した。善阿弥は一休宗純の元に赴き、西軍や東軍の大将を説得してほしいと頼む。

 相国寺の七重塔と庭園を惜しんだ一休は、予言記「聖徳太子未来記」の一節が応仁の乱を予言しているといわれていることを憂慮し、西軍の本陣に向かう。(「乱世の庭」)

 他に厳島の合戦など、歴史的な事件が起きる24時間前に目を向けた時代小説。

(光文社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束