「新・佐高信の政経外科 幹事長二階俊博の暗闘」佐高信著

公開日: 更新日:

 二階俊博は1998年、小沢一郎が率いる自由党の幹部として参院選を戦い、520万票を獲得した。そのとき、自民党の政策に不満をもったレベルの高い知識層が評価してくれたと語った。

 だが、20年後、「大変な決意をして」離党した自民党に戻り、幹事長となった。小泉純一郎が自民党総裁だったとき、党内の反対者を除名し、総務局長としていわゆる「刺客選挙」を行って大勝した。結局、二階は、刺客選挙や郵政民営化に賛成かどうかを明確にせず、与えられた命題を仕上げることに集中するだけの根回し屋にすぎない。理念や理想を語らない政治家など百害あって一利なし、と佐高は断言する。自民党を陰で操る政治家の正体を喝破した一冊だ。

(河出書房新社 1750円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」