「自民党」中島岳志著

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 テレビなどで政治家が出ても断片的な発言によるイメージが先行し、その政治家が具体的にどういう考えを持っているのか判然としない。そこで政治家の書いた本や文章(著書がない場合、インタビューや対談)から、その思想的特徴をとらえていこうというのが本書。

 取り上げるのは安倍晋三、石破茂、菅義偉、野田聖子、河野太郎、岸田文雄、加藤勝信、小渕優子、小泉進次郎の現首相および首相候補者と目される9人の自民党政治家。

 本書では、縦軸にリスクの問題、横軸に価値の問題を置き、縦軸の上にいけばリスクの社会化(リスクに社会全体が対応=大きな政府)の傾向を示し、下方向はリスクの個人化(自己責任=小さな政府)を示す。横軸は左方向がリベラル=寛容、右方向はパターナル=権威主義を示し、各政治家がどの事象に位置するか(社会化+パターナル志向ならⅠ、社会化+リベラルはⅡ、個人化+リベラルはⅢ、個人化+パターナルはⅣ)を定めていく。

 個々の分析とは別に、かつてⅡにあった自民党の保守本流が現在Ⅳに移行しているとの指摘は気がかり。野党の役割も改めて問われている。

(スタンド・ブックス 1600円+税)

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