「負けてたまるか!日本人」丹羽宇一郎、保阪正康著

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 共に昭和14(1939)年生まれで、終戦直後に民主主義教育を受けた2人が戦後の75年間を総括する対談集。

 昨年の安倍首相とトランプ大統領が合意した日米貿易協定をはじめ、田中角栄と周恩来による日中共同声明時に棚上げされた尖閣諸島の領有権問題、そして日本をいまだに被占領国扱いする日米同盟と沖縄問題など。記憶されない「真実」があることを危惧する2人は、人間は同じ過ちをするから、戦争に近づけば必ず戦争になるから、何よりも「戦争に近づくな」と重ねて警告する。

 他にも、責任を口にしながら何も行動しない安倍首相を俎上に載せたリーダー論や米中貿易戦争の行方、天皇制まで日本と世界の諸相を縦横に語る対話から、昭和史の見方、そして世の中の理解の仕方を学ぶ。

(朝日新聞出版 810円+税)

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