「エンペラー・ファイル」徳本栄一郎著

公開日: 更新日:

 ジャーナリストである著者は、「ニューズウィーク」特派員として昭和天皇との単独インタビューに成功したクリッシャーから、昭和天皇の通訳を務めた真崎秀樹のインタビューの録音テープを受け取った。著者は真崎テープで、社交辞令のような会話を延々と聞かされることを覚悟したが、その内容は驚くべきものだった。

 昭和天皇は謁見(えっけん)した海外の要人とかなり生々しい政治的会話をしていた。

 英国の情報機関に関わる人物とインドネシアの共産化阻止について話すなど、まるで情報機関の幹部のインテリジェンス・ブリーフィングのようだった。

 3代の「象徴天皇」が情報を集め、受け継いでいった独自の「立憲君主像」の真実に迫る。

(文藝春秋 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは