「アデル 人喰い鬼の庭で」レイラ・スリマニ著 松本百合子訳
35歳のジャーナリストのアデルは、パリの高級アパルトマンで医師の夫と幼い息子と暮らす。容姿にも恵まれ、他人からは何不自由のない暮らしに見えるかもしれない。しかし、その心は常に飢えていた。
朝夜ジョギングをして、アルコールを断って早寝をしても、1週間しか我慢できなかった。出勤前に友人の家に駆け込み、抱かれてから出勤する。アデルは、本当の意味で自分を満足させてくれる男を求め、編集長や同僚、そして行きずりの男まで手当たり次第に体を開く。自分で自分を止めることができない彼女は、夫の同僚とも体を重ねるが……。
望んだものをすべて手に入れながらセックス依存症に翻弄される女性を描いた衝撃作。
(集英社 820円+税)