「『日本の伝統』の正体」藤井青銅著

公開日: 更新日:

「伝統」に弱い日本人は、その売り言葉をありがたく思い、すぐに信用してしまう。しかし、世の中には、比較的新しい時代に「発明」された「伝統」が、さも大昔から存在するかのように振る舞っている例が多々あるという。そんな「日本の伝統」の意外な起源や由来を解説した面白読み物。

 意外にも、「初詣」も江戸時代にはなかったそうだ。明治になり鉄道会社による宣伝と営業努力によって、それまでの「年籠り」(二年参り)、「初縁日」「恵方詣り」などがミックスして生まれ、定着したもので、約130年ほどしか経っていないのだとか。

 ほかにも、百貨店が広めた中元・お歳暮・七五三や、キリスト教式よりも後に始まった神前結婚式、喪服の色など。暮らしの隅々に浸透した伝統の真実が明らかに。

(新潮社 590円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方