「台北プライベートアイ」紀蔚然著 舩山むつみ訳

公開日: 更新日:

 大学の演劇学部の教授だった呉誠(ウーチェン)は妻と別れ、大学も辞めて、うらぶれた臥龍街(ウォロンジェ)に引っ越して私立探偵になった。最初の依頼者は近所の林(リン)夫人で、3、4週間前から娘が父親を仇(かたき)でも見るような目つきになったという。呉誠は林氏の尾行を始めたが、毎日同じ時間に出勤、退勤の生活だ。ところがある日の昼休み、林氏はBMWに乗り、モーテルに行き、続いて病院に。そこの院長の姪の邱(チウ)がターゲットらしい。そのころ、近所の公園で2件、殺人事件が発生した。だが、なぜか新聞に載っていない。

 連続殺人事件を追って、駆け出しの探偵が台北の街を駆け巡るハードボイルド小説。

(文藝春秋 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層