「花は咲けども噺せども」立川談慶著

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 落語家の錦之助は、ラジオ番組の企画で朝から芦ノ湖畔の即席高座で一席。観光客には見向きもされないが、生まれてくる我が子のミルク代を稼ぐために、どんな仕事も断ることはできない。大学生のときにCDで聴いた立川談志に衝撃を受け、落語家を志すも、既に談志はこの世にいなかった。就職後も夢が忘れられず、退職して山水亭錦生に入門。多くが3年で終わる前座を7年も務め、ようやく二つ目となり山水亭錦之助となったのだ。仕事を終え、酒癖の悪いディレクターの相手をしていた錦之助に、義母から無事出産の知らせが届く。しかし、2カ月後、優と名付けたその次男が入院してしまう。(「小児科病棟の弟子」)

 談志の18番目の弟子である現役落語家が体験をもとにつづる人情小説集。文庫オリジナル。

(PHP研究所 858円)

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