「『うつ』の効用」泉谷閑示著

公開日: 更新日:

 ある調査によると、12歳以上の現代人の8人に1人、12%もの人が「うつ病」か「うつ状態」にあるという。

 その治療は、抗うつ剤による薬物療法が中心だが、精神科医の著者は、薬物療法は骨折時のギプスのような添え木的役割であり、病根そのものにアプローチをして治してくれるわけではないという。真の治癒に必要なのは、その人にそもそも「うつ」が生じたのはなぜだったのか探索し、自然治癒力を妨げているのが何かを明らかにする綿密で丁寧なアプローチだという。

 精神療法と呼ばれるそのアプローチで多くの患者の診療を行ってきた著者が、これまでとは異なる視点で「うつ」のカラクリを解説しながら、「うつ」を引き起こしてしまう真の原因を明らかにするメディカルテキスト。

(幻冬舎 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動