「悲しみのイレーヌ」 ピエール・ルメートル著 橘明美訳

公開日: 更新日:

 2014年、日本国内の4つの年間ミステリーランキングの海外部門の第1位に輝くほか、英仏2つの賞を獲得して「史上初の6冠達成!」と話題を呼んだ「その女アレックス」は、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第2作で、その翌年邦訳されたシリーズ第1作が本書だ。

【あらすじ】パリ警視庁犯罪捜査部のカミーユ・ヴェルーヴェン警部は、145センチの短躯。画家である母親の喫煙が胎児に栄養不良を招いての結果だ。それ故結婚など無縁と思っていたが、40歳で出会ったイレーヌの登場で人生は一変。カミーユはル・グエン警視を長とする捜査班の班長。配下には、ハンサムで金持ちのおぼっちゃんのルイ、ケチだが粘り強い捜査が信条のベテラン刑事アルマン、浪費家で女好きのマレヴァルがいる。

 この個性的なチームのもとにパリ北西部の郊外で女性2人が異様な手口で惨殺されたという報告が入ってきた。ベテランの鑑識員ですら経験のない死体の損壊ぶりに一同は唖然とさせられる。しかも壁には《わたしは戻った》という謎の言葉が血で書き付けられていた。調べを進めていく中で、カミーユたちは以前起きた未解決の若い女性の切断事件との関連があるのではないかと推察する。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし