「イクサガミ 天」今村翔吾著

公開日: 更新日:

 明治11年5月5日午前0時前、愁二郎は噂の真偽を確かめるため、京都・天龍寺の境内に足を踏み入れる。境内にはすでに腕に覚えのある男たちが集まっていた。噂では武技に優れた者に10万円を手にする機会が与えられるらしい。

 しかし、時刻になり現れた主宰者の説明に集まった292人は動揺する。1カ月後までに7カ所の関門を通り抜けて東京にたどりついた者だけに10万円を渡すというのだが、各関門を抜けるには各人が首から下げた木札を相応数集めなければならない。つまり木札を手に入れるために相手を殺せというのだ。

 合図とともに境内が修羅場となる中、愁二郎は男たちに狙われた少女を見つけ駆け寄る。

 訳ありの愁二郎と少女双葉の道中を描く剣劇エンターテインメント。

(講談社 770円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁