「どうにもとまらない歌謡曲」舌津智之著

公開日: 更新日:

 言語に関する文化の中でも、広く深い浸透力を持つ歌謡曲は「戦後の日本における最強の思想」だと著者はいう。聴く人の頭脳にサブリミナルに蓄積される言語情報がその人の価値観に大きな影響を与えるからだ。

 本書はヒット曲の歌詞に刻まれた集団的(無)意識の変容を読み解き、70年代フェミニズムの輪郭を浮かび上がらせた音楽&ジェンダー論。

「瀬戸の花嫁」や「てんとう虫のサンバ」などの結婚賛歌を取り上げ、対する「神田川」などの同棲ソングは必ず過去形で歌われ、「絶体絶命」などの婚外恋愛=不倫ソングは必ず破綻に至ることを指摘。結婚に関する当時の強迫観念の強さを明らかにするなど、よく知るヒット曲の歌詞から、日本社会の深層を暴いていく目からウロコ本。

(筑摩書房 902円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松村北斗&目黒蓮の"2強"を崩すSTARTO社の若手演技派は? 男性アイドル戦国時代のカオス

  2. 2

    森香澄はピアニストを夢見て練習に打ち込むも、1浪して東京女子大現代教養学部へ…高校は都立新宿

  3. 3

    森香澄には「あざとかわいい」にとどまらない「主役体質」の素質アリ

  4. 4

    キオクシア株は「高値の花」…2期連続過去最高決算で時価総額40兆円も、個人投資家比率わずか5%

  5. 5

    渋野日向子に「全米女子プロ」逆転出場の道…勝みなみと3年連続タッグでツアー唯一のダブルス戦V狙う

  1. 6

    生田斗真の活躍を見て育った弟・竜聖は川崎の公立中学から中大法→フジテレビへ

  2. 7

    佐々木朗希の選手会脱退が若手逸材に飛び火 「電通が動いているんじゃないか」と広がった疑心暗鬼

  3. 8

    ナショナルズ小笠原慎之介「巨人入り」のウラ…「メジャー昇格の芽なし」の悲しい現実

  4. 9

    「ペチュニア」と「キンギョソウ」が見頃を迎えた花と緑のテーマパーク「東京ドイツ村」入場券を5組10人にプレゼント

  5. 10

    高市事務所が選挙ネット戦略で手だれに接近のナゼ…中傷動画作成・拡散のキーマン松井健氏の“意外な実績”