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柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第二話 立場的にありえない(7)あの子を助けてやってくれ

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 涼子の視線から、なにを考えているのか察したのだろう。丹波は気まずそうに、首の後ろを掻いた。

「うちの坊主を思い出してよ」

 前に丹波から、息子がひとりいる、と聞いたことがある。思えば、丹波の家族について知っていることはそれだけだ。

 丹波は顔の前で手を組み、目… 

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