「年収443万円」小林美希著

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 443万円とは国税庁の調査における2021年度の給与所得者の平均年収。ちなみに平均年齢は46.9歳で、これは就職氷河期世代と重なる。

 本書は、平均年収や、それよりもさらに低い年収で暮らす就職氷河期世代たちのありのままの生活を取材。「平均年収では“普通”の暮らしができない」日本の現実を伝えるルポルタージュだ。

 転職して年収800万円から520万円、手取りだと400万円に下がったことを妻には打ち明けられず、月10万円の赤字をヘソクリで補填しているという48歳の男性。月収9万円に加え、別居中の夫からの養育費5万円で暮らすシングルマザーなど。11人から生活の細部まで聞き出し、今私たちがどんな社会を生きているのかを浮き彫りにする。

(講談社 968円)

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