「日本中世の民衆世界」三枝暁子著

公開日: 更新日:

 日本の中世は、武士の時代として認識されているが、この時代、武力を行使したのは武士に限らず、僧侶や神職者、商工業者、農民、被差別民のいずれもが紛争解決の手段として暴力を行使したという。その背景には朝廷と幕府の併存という国家権力の分裂・多元性があり、それゆえに社会集団が自律的だったからだ。

 本書は、京都の「西京神人(にしのきょうじにん)」と呼ばれる共同体に焦点を当て、中世の民衆の姿に迫る歴史テキスト。

 神人とは中世の商工業者の身分呼称で、特に神社と結びついた商工業者を指す。西京神人は、麹業を営む職人としての要素を持ちながら、北野天満宮領の領民として年貢・公事を負担する平民でもあった。

 彼らの存在形態とその動向を追い、中世民衆像と中世社会像を浮かび上がらせる。

(岩波書店 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「Hey! Say! JUMP」山田涼介のグループ内「独り勝ち」で広がるメンバー間の“収入格差”

  2. 2

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  3. 3

    「エプスタイン文書」が高市政権に飛び火 日本政府肝いりPTの重要人物にスポットライトで政策に暗雲

  4. 4

    【感謝】「もっと沢田研二~」はこれで最終回。そして来週からは……

  5. 5

    2期目狙う馳浩氏ピンチ…石川県知事選は保守分裂“ラウンド2”「不人気現職vs極右前市長」でカオス極まる

  1. 6

    河合優実は帰国子女が2割を占める“公立のインター”都立国際高校のダンス部で活躍

  2. 7

    元モー娘。後藤真希の「40歳の底力」! 写真集→地元愛ラップで再ブレーク街道まっしぐら

  3. 8

    日本ハム新庄監督はガマンできるのか…岡田彰布氏が即却下した“有原航平フル稼働プラン”

  4. 9

    侍Jで発覚!大谷翔平の頭のサイズは“中高生レベル” パワー&カラダとも規格外の衝撃

  5. 10

    宮城大弥が激白した! 大谷翔平にタメ口の顛末、兄貴分の山本由伸、オリックス愛