「『鬱屈』の時代をよむ」今野真二著

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 感染症や戦争、災害などに遭遇したとき、人は平静ではいられない。さまざまな感情や気持ちになる。自身の気持ち、感情と向き合い、他者の気持ち、感情と向き合い、生きていかなければならない。

 こうした不安や憂鬱、鬱屈した気持ちや感情は、これまでどのように言語化されてきたのかを小説や詩などを引用しながら読み解いたテキスト。

 本来、不定形な「気持ち・感情・感覚」に言語でかたちを与えるのが言語化だ。それにより自分の気持ちを納得するのだ。

 関東大震災や、スペイン風邪、第1次世界大戦などをくぐりぬけた大正時代の言語空間に着目。夏目漱石や太宰治、芥川龍之介、萩原朔太郎などの作品をはじめ、雑誌や辞書まで膨大な資料から先人たちは「鬱屈」をどう表現したかを分析し、現代人が抱える「不安感」を解くカギを探す。 (集英社 1155円)

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