「生きるために本当に大切なこと」渡辺憲司著

公開日: 更新日:

 東日本大震災と原発事故が発生した10年前、私立高校の校長だった著者は、卒業式が中止になった卒業生にメッセージを送った。

「時に、孤独を直視せよ。海原の前に一人立て。自分の夢が何であるか。海に向かって問え。青春とは、孤独を直視することなのだ」と説く、「時に海を見よ」と題された一文は、世代を超え、人々を励ました。本書は、教育現場の第一線に立ち続けてきた著者が、折々に学生たちに向けて発したメッセージ集。

 昨春のコロナ休校の際には、感染症で最も恐ろしいのは「病に対する人々の差別と偏見」という感染症学者の発言を紹介しながら、「不安が広がる今だからこそ人のやさしさが問われている」とつづるなど、災害とコロナ禍に戸惑う日本人に生きる指針を示してくれる。

(KADOKAWA 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が“本塁打王を捨てた”本当の理由...トップに2本差でも欠場のまさか

  4. 9

    “条件”以上にFA選手の心を動かす日本ハムの「圧倒的プレゼン力」 福谷浩司を獲得で3年連続FA補強成功

  5. 10

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?