「満洲 コンフィデンシャル」新美健著

公開日: 更新日:

 1991年末、春雄が義父から引き継いだ映画館を閉じる日、ドアの前に古いフィルム缶が置かれていた。コレクターからの寄贈かと思ったが、一緒に入っていたスナップ写真に春雄の記憶は、満洲へと引き戻される。

 昭和15年、海軍の士官候補生だった春雄は、ある事情から軍艦に乗ることができなくなり、満洲鉄道本社で働くために大連に渡る。

 初日、調査部への配属を言い渡された春雄は、新京の満洲映画協会にフィルムを届けるよう命じられ、そのまま新京にとどまり、満映理事の甘粕正彦の不正か弱みをつかんでくるよう指示される。密命の依頼主は関東軍だという。間諜など性分に合わない春雄だが、物見遊山気分で新京に向かう。

 満洲を舞台に繰り広げられる冒険スパイ活劇。

(徳間書店 902円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ