仏典に込められたその思想を解説「維摩経とは何か」植木雅俊著
「維摩経とは何か」植木雅俊著
釈尊滅後、400~500年経ったころ、本来の仏教から逸脱してしまった仏教界にあって、原点回帰を訴える大乗仏教運動が興った。維摩経(1~2世紀)は、「般若経」や「法華経」に前後して著された代表的な初期大乗仏典のひとつだという。
維摩経と法華経が編纂された時代は、小乗仏教によって釈尊の神格化や出家者の優位、女性蔑視を主張するなど、権威主義と形式主義に化し、差別思想にとらわれ、本来の仏教から逸脱してしまった。維摩経は権威主義や形式主義、偏見を排した「人間のための仏教」という視点で一貫。在家主義や男女平等といった思想を極めて戯曲的な手法で展開しているという。
法華経、維摩経のサンスクリット語からの翻訳を手掛けた著者が、仏典に込められたその思想を解説したテキスト。
(中央公論新社 1265円)


















