「一球の記憶」宇都宮ミゲル著

公開日: 更新日:

「一球の記憶」宇都宮ミゲル著

 ジャイアンツの江川卓は「怪物」といわれた投手だった。江川の球速はほかの投手とは別次元で、バッターはみな「ボールが浮き上がって見えた」という。

 マウンドからストライクゾーンに投げれば実際は「落ちる」のだが、江川自身も視覚として球が浮き上がる感覚があった。球がうまく回転したとき、ふわんと上がる感覚があった。江川の球の回転軸が地面ときっちり平行だったからではないかという推論もある。江川も「重力に逆らって浮く球」を目指していた。

 ホームランバッターが打席に入ると歓声が湧くが、対決の瞬間には一瞬、音が消える。その瞬間が最高に面白いと。

 球場のドラマを37人が語る。

(朝日新聞出版 2178円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  2. 2

    ドジャース大谷翔平 本塁打王争いでシュワーバーより“3倍不利”な数字

  3. 3

    【速報】髙橋光成がメジャー挑戦へ!ついに西武がゴーサイン、29日オリ戦に米スカウトずらり

  4. 4

    近藤健介「脇腹故障」と柳田悠岐「実戦復帰」が交互に訪れるソフトバンクの悲喜劇

  5. 5

    元女優にはいまだ謝罪なし…トラブル「完全否定」からの好感度アップ図る長渕剛のイメチェンSNS

  1. 6

    高山正之コラム打ち切り…その前に週刊新潮がやるべきだったこと

  2. 7

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 8

    完全復活を遂げた吉田羊と"7連泊愛"中島裕翔の明暗…恋路を阻んだ"大物"による8年前の追放劇

  4. 9

    小泉純一郎と山崎拓が石破首相に授けた「郵政解散」の極意…旧安倍派残党は“抵抗勢力”、徹底締め上げ進言

  5. 10

    長渕剛に醜聞ハラスメント疑惑ラッシュのウラ…化けの皮が剥がれた“ハダカの王様”の断末魔