「歴史の定説を破る」保阪正康著

公開日: 更新日:

「歴史の定説を破る」保阪正康著

 近現代の戦争を新視点で分析した歴史テキスト。

 日本が勝ったと言われている日清・日露戦争も見方を変えると、その勝ちは全く疑わしいものになるという。例えば日露戦争では南樺太やロシアが持つ中国の一部の権益を獲得したから日本が勝ったことになっている。

 ただ、これはアメリカが仲介して日本に賠償金をあきらめさせた結果であり、ロシアは負けたとは思っていなかった。さらにロシアにとって日露戦争は、第2次世界大戦で日本に宣戦布告する口実になったともいえると指摘。

 以後、第1次大戦からウクライナ戦争までを俎上(そじょう)に、「政治の延長として戦争を選択すれば、それによって敗者になる」ことを明らかにし、世に広まりつつある正義を守るために軍事力を増強するという論理に警鐘を鳴らす。

(朝日新聞出版 891円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状