「完黙の女」前川裕著

公開日: 更新日:

「完黙の女」前川裕著

 1984年、福岡市天神の医師、篠山重治の家に電話があり、小学4年生の照幸が出た。照幸は「タナカさんのお母さんに貸していた物を返してもらうから、出かけてくる」と言って外出した。2歳上の兄が追いかけたが、見失い、照幸はそのまま戻ってこなかった。

 照幸はアパート三幸荘の2階の部屋のドアが半開きになっていたので、住人の三藤響子に、「タナカさんの家を知りませんか? 階段を上がったところが、タナカさんの家だと聞いたのですが──」と尋ね、響子が知っていた田中という家を教えると立ち去ったという。

 3年後、響子が結婚した花村喜美夫の義兄、小崎欣弥の家が火事になり、焼けずにすんだ納屋でポリ袋に入った子どもの骨が見つかった。

 実在の未解決事件をもとにしたミステリー。

(新潮社 2310円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも