「近鉄特急殺人事件」西村京太郎著

公開日: 更新日:

「近鉄特急殺人事件」西村京太郎著

 早朝、都内のマンションで歴史雑誌の編集者・小早川の他殺体が発見された。警視庁の十津川らは、姿を消した同棲相手の伊世の犯行を疑う。小早川の同僚だった伊世が残した「覚書」には「穢れた大都会を脱出して、神の地に行く。私を追えば、神の罰を受けよう」と記されていた。

 同じ日、賢島駅に到着した近鉄の「ビスタEX」の車内で歴史学者・中村の変死体が見つかる。警視庁に身元照会の依頼が入り、調べると中村は小早川と伊世が卒業した大学の准教授だった。中村は歴史番組の司会も務め、伊勢神宮をテーマにした次回作の下調べに行く予定だったようだ。

 2つの事件の関連を疑い、伊勢神宮に向かった十津川は、おかげ横丁で商店街の広報として働く伊世を見つける。

 昨年亡くなった巨匠によるトラベルミステリー。

(新潮社 693円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝