「『単純化』という病」郷原信郎著

公開日: 更新日:

「『単純化』という病」郷原信郎著

 2012年に政権に返り咲いた安倍元首相は、国政選挙で勝利を重ねる。その結果、議論がほとんど行われることなく重要政策を無条件に実現していった。

 その「安倍1強体制」が確立したのが、「法令順守」と「解釈変更」を盾に説明責任を果たさずに逃げ切るスタイルと、「多数決」であらゆる物事を押し通す政治手法だった。「多数決と法令順守」によって問題が「単純化」されると、何が行われ、それがどう問題なのか、何が原因なのかということを考えられなくなり、論じられなくなる。

 安倍政権下で明らかになった森友学園、加計学園、桜を見る会などの問題を改めて検証しながら、菅政権、そして現政権へと引き継がれた、問題の単純化による権力の集中と、分断・二極化が進む日本の「病」を明らかにする。

(朝日新聞出版 891円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁