「パワー」ナオミ・オルダーマン著、安原和見訳

公開日: 更新日:

「パワー」ナオミ・オルダーマン著、安原和見訳

 イギリスのギャングの娘ロクシーの家に、ある夜、父親の対抗勢力の殺し屋が乱入してきた。母親がナイフを突きつけられるのを見たロクシーの体内で何かが目覚め、手から雷霆(いかずち)が放出される。

 一方、アメリカ・フロリダ州に暮らす孤児の少女アリーは、頭の中に届く声に導かれるまま、雷霆を使ってこれまで自分の体をもてあそんできた養父を殺し、逃走。たどり着いた修道院でイヴと名乗り、各地から集まった少女たちの尊敬を集め宗教的指導者となっていく。雷霆を操る少女たちの対応に追われる市長のマーゴットは自らもその能力を獲得し、権力の階段を上り始める。

 目覚めた「パワー」によって力関係が逆転し、女性が男性を支配する社会を描くディストピア小説。 (河出書房新社 1485円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』コア視聴率も低迷…パワハラ報道前からあった"上げ底人気"疑惑

  4. 4

    趣里と三山凌輝に結婚報道…“希代のワル”羽賀研二を彷彿とさせる男の登場に水谷豊どうする?

  5. 5

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  1. 6

    ベッキー不倫騒動が教訓 LINEはこうして筒抜けになる

  2. 7

    自民“裏金議員”西田昌司氏が沖縄戦に許しがたいイチャモン…次期参院選に推薦した公明は真っ青

  3. 8

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  4. 9

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  5. 10

    嵐「解散ビジネス」で荒稼ぎの皮算用…総売り上げは500億に? 2026年5月に活動終了