「室町妖異伝」三好昌子著

公開日: 更新日:

「室町妖異伝」三好昌子著

 文正2(1467)年如月、将軍の跡継ぎを巡り、山名宗全と細川勝元が火花を散らし、合戦を恐れて洛中から人々が避難。

 御用絵師の土佐光信の両親も嵯峨へ逃れるが、光信は足利義政の側近として妻の小萩を伴い室町御所へ移り住む。幼いころから人ではないモノの声を聞き、その姿を見る力がある光信は、今回の戦乱の要因は義政にとりつく妖童子という妖物の仕業だと気づいている。

 しかし、一介の絵師でしかない光信にはなす術もない。上巳(じょうし)の節句を控えた義政の嫡男・寅若が高熱を出す。御縫所で若君の晴れ着作りに携わった小萩は、義政の正室・富子から呪詛(じゅそ)をしたと疑われ、捕らえられてしまう。

 御所につく「つづれ」の力を借りて、京を守る光信の命がけの奮闘を描く時代ファンタジー。 (新潮社 781円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  3. 3

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  5. 5

    加賀まりこ「鈴さん」人気沸騰中!小泉今日子と《そっくり》の母親役でフジ月9“夢の共演”を待望する声

  1. 6

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 7

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  3. 8

    永野芽郁「文春砲第2弾」で窮地…生き残る道は“悪女への路線変更”か?

  4. 9

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  5. 10

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった