「猫君」畠中恵著

公開日: 更新日:

「猫君」畠中恵著

 茶虎で金目銀目の雄猫みかんは、髪結いのお香さんと吉原の長屋で暮らしてきた。間もなく20歳を迎えるみかんは、人間の言葉を話せるようになってきた。猫又になりかけているらしい。

 病に倒れ、寿命を察したお香さんは、みかんに家を離れるようにと言う。妖(あやかし)の猫又は飼い主にたたると信じられ、人間には評判が悪く、お香さんは、自分の死後のみかんが心配なのだ。猫又になれば仲間とも会えるらしい。

 数日後、朝起きるとお香さんが息絶えていた。嘆き、お香さんに話しかけているところを見つかったみかんは、近所の人に追われ、逃げ出す。あわや捕まる寸前、若い男に抱きあげられ懐に入れられる。

 新米猫又のみかんが仲間とともに試練に立ち向かう時代ファンタジー。 (集英社 825円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲