「ガラスの橋」ロバート・アーサー著 小林晋訳

公開日: 更新日:

「ガラスの橋」ロバート・アーサー著 小林晋訳

 昼食のため勤務先の銀行を出た出納係の青年マニングは、尾行する2人の男に気づく。自分を捕まえにきた刑事に違いない。

 株投資に失敗して銀行の金2万ドルを着服したマニングに逃亡するつもりはない。甘んじて罰は受けるつもりだが、さらに今、昼食のサンドイッチとともに銀行から魔法瓶に入れて持ち出した1万ドルは刑期を終えるまでどこかに隠しておきたい。発車寸前のバスに飛び乗り、刑事をまいたマニングは、たどり着いた住宅地で木を植えるために掘られた穴に魔法瓶を埋める。

 3年半後、罪を償い出所したマニングは、スミス一家が暮らす金を隠したあの家の近くのガソリンスタンドで働きながら機会をうかがう。(「マニング氏の金の木」)

 アメリカの短編ミステリーの名手による傑作集。

(扶桑社 1320円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず