「霊魂の足」角田喜久雄著

公開日: 更新日:

 警視庁捜査1課の課長・加賀美敬介を主人公に、敗戦直後の東京を舞台にして描いた名作短編ミステリー集の復刻。

 ある人物を出迎えるため上野駅に来た加賀美が地下食堂で時間を潰していると、相前後して入ってきた2人の男が背中合わせに座った。加賀美は、国民服の男が自分の持っていた古トランクを帽子をかぶった男のトランクと差し替えたことに気づく。帽子の男は気づかずに店を出ていく。加賀美が国民服の男を尾行すると、男は郵便局に入り、トランクから出した包みをどこかに送ろうと手続きをする。さりげなくその宛名を見ると、何と警視庁の加賀美宛てだった。(「怪奇を抱く壁」)

 70年以上も前の文章に、現代にはない味わいを感じる傑作選集。

(東京創元社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  2. 2

    沈黙貫く橋本愛vs佐藤二朗「週刊新潮」で反論の泥沼化…SNS連投で"自滅"を心配する声も

  3. 3

    『ひよっこ』再放送記念、神回「ビートルズがやって来る」再録

  4. 4

    骨折で入院中ですが…ブラジルに惜敗した森保Jを巡る一部炎上報道で心が痛い

  5. 5

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  1. 6

    男子バスケ日本代表に激震、ホーバス監督“解任”の真相…過去には八村塁と確執も 

  2. 7

    孤立深まる高市首相…国会10日ぶり正常化でも続く“包囲網” 与党内からも反発の声噴出の自業自得

  3. 8

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  4. 9

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  5. 10

    村上誠一郎前総務相が高市政権バッサリ!「これが本当に保守政治なのか」…突きつけた自民「立党宣言」との乖離